「読書からはじまる」


 自宅の本棚を整理していた時のこと・・・。何かの拍子に文庫本が一冊床に落ちてしまった。拾い上げてみると、だいぶ前から積読にしていた「読書からはじめる」(長田弘著)である。
 これは何か意味があるのかも、なんて思う方が無理があるのかもしれないが、何となく気になり棚に戻さず腰を据えて読み始めることにした。

 長田弘さんの文章は、やはりすごいな。
自ら”問い”をかけては、自分の考えを適切に述べていくものだから、ぐいぐい心に響いてくるのだ。
 ぼくはこんないい本を積読にしてたのかぁ、なんて思いつつ「子どもの本のちから」と書かれた項にくぎ付けになってしまう。

「子どもの本というのは、子どものための本なのではありません。大人になってゆくために必要な本のこと・・・」

「子どもの本を読むことによって、それまでは自分でも気づかなかったけれども、振り返って今、子どもたちに伝えたいものが何かを、とくにそうと意識しなくても、大人たちはきっと自分で、自分のなかに確かめるようになる」(本文より)

 ここ数日間「みになる児童書」というコーナーを作り、なぜだか児童書を読み漁っていたのでした。しかし、これにどんな意味があるのかと迷っていたところ、正に天から本が舞い降りたである。

 今だな、この本は今読むべき本なのだ。と、まじまじと装丁を見つめ、じっくりとまた読み進めていくのでした。

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